GPT-Liveは、OpenAIがChatGPT Voice向けに発表した音声モデル群です。GPT-Live-1とGPT-Live-1 miniの2種類があり、聞く処理と話す処理を同時に進めるフルデュプレックス構成を採っています。単に返答を速く読むモデルではなく、相手が話している途中の相槌、割り込み、考え込んだときの沈黙まで、会話の一部として扱うのが狙いです。(OpenAI)

「発話が終わるまで待つ」を外す

従来の音声対話には、音声認識、言語モデル、音声合成を順番につなぐカスケード型と、音声をひとつのモデルで扱いながらも発話単位で交代するターン型がありました。前者はモデル間で情報が落ちやすく、応答も間延びする。後者は滑らかになったものの、沈黙をターン終了の合図にするため、短い間や周囲の音で割り込むことがあります。(OpenAI)

GPT-Liveは、出力を生成しながら入力を継続して処理します。話す、聞き続ける、少し待つ、割り込む、ツールを呼ぶ、といった判断を1秒間に何度も行う設計です。これなら「うん」と反応しつつ続きを待つことも、話の途中で入った質問へ向き直ることも、固定されたターン境界なしで扱えます。ライブ翻訳も、この連続的なやり取りを使う機能として紹介されています。

会話の流れと、重い仕事を分離する

もうひとつの特徴は、会話を保つモデルと、検索や推論を担うモデルを切り分けたことです。Web検索や深い推論が必要になると、GPT-Liveは処理を別のフロンティアモデルへ委譲し、結果を待つあいだも対話を続けます。発表時点ではGPT-5.5が背後の処理を担当します。音声モデルへすべてを詰め込まず、会話のテンポと重い処理を別々に更新できる構成です。(OpenAI)

ChatGPTでは、Go、Plus、ProにGPT-Live-1、FreeにGPT-Live-1 miniが順次提供されます。入口はiOS、Android、WebのVoiceボタンです。Liveは検索やメモリ、テキスト、画像、対応するビジュアル表示を同じチャットで扱えますが、提供開始時点では動画、画面共有、カスタムGPT、Codexなどに対応しません。動画や画面共有が必要なら、対応するモバイル環境でAdvanced Voiceを選ぶ形です。(Help Center)

APIと安全機能は、提供範囲を分けて見る

GPT-LiveのAPIは予告段階で、公開されているのは通知登録フォームです。リリース日、価格、実装方法はまだ示されていません。現時点では、通知フォームだけを見て実装に進める段階ではありません。(API通知フォーム)

音声はリアルタイムに流れるため、安全機能も返答後の検査だけでは済みません。システムカードでは、入出力を会話中に確認し、危険性を検知した場合に返答の方向を変える、発話を中断する、支援情報を文字で出す、リスクが高ければ会話を終了する仕組みが説明されています。評価値は難しい事例を集めたもので、実利用全体の発生率ではないという但し書きもあります。(System Card)

まず触るなら、返答の賢さだけでなく、考えるために黙ったときに待てるか、途中で話を重ねても文脈を拾えるかを試したいところです。GPT-Liveの差は、回答文よりも、その前後にある「間」の扱いに出ます。

参考