Copilot in Excelの「ルール」は、ブック固有の指示を専用ワークシートに置く仕組みです。表の見た目や数式、レイアウトに関する約束を毎回プロンプトへ書かなくても、Copilotがそのブックを編集するときの前提にできます。設定がユーザーの手元に閉じず、ファイルと一緒に渡るところが肝です。(Microsoft Support(日本語))
指示書をブックの中に置く
ルールを保存するワークシート名は .Rules。指示はA列に並べ、シートを表示したままにしておく必要があります。非表示にするとCopilotは参照しません。Copilotの「Add work content」から「Create workbook rules」を選んでテンプレートを作るほか、手動で作成したり、別のブックからコピーしたりもできます。(Microsoft Support(英語))
この設計なら、月次レポートや見積書のテンプレートに、表の命名、数式の書き方、グラフの配色といった約束を添えて配れます。受け取る側が同じ設定を入れ直す必要はありません。個人の好みを保存する「Personalization」がアカウント単位で複数のブックに効くのに対し、.Rules は対象ファイルだけに付き、共有相手にも渡ります。似て見える二つですが、使う範囲が違います。(Personalize Copilot in Excel)
ルールは短く、1セルに一つ
Microsoftは、指示を短く具体的にし、1セルに一つのルールを書くよう勧めています。## NUMBERS や ## CHARTS のような見出しでまとめ、望む結果の短い例を添える構成です。長い運用規程をそのまま貼るより、Copilotが判断するときに必要な約束へ切り分けたほうが、あとから人間も直しやすくなります。
面白いのは、セルに固定文だけでなく数式も置ける点です。たとえばドロップダウンの値に応じて「KPIの要約だけを表示する」と「詳細表まで含める」を IF 関数で切り替えられます。実績データが入っているかどうかを COUNTA で判定し、予測だけを作るのか、予測と実績を比較するのかを変える例も公式ページにあります。ブックが再計算されると、Copilotは次のプロンプトで数式の出力を読み取ります。ルール自体を表計算の状態に連動させられるわけです。
まずは壊したくない約束から
導入時は、すべての手順を書き尽くすより、「結合セルを使わない」「既存の命名を守る」など、崩れると修正が面倒な約束から置くのがよさそうです。その後、実際の編集結果を見ながらセル単位で足せます。
注意点もあります。Microsoftは、ルールを完全にサポートする言語は英語で、英語以外では動作が一貫しないと明記しています。利用モデルや時期によって挙動が変わる場合もあるため、.Rules を固定的な検証機構とみなすのは危険です。共有テンプレートへ組み込むなら、期待どおりの編集になるかを確認し、重要な数式や出力は人間が見直す。その前提なら、口頭や別紙に散っていたExcelの作法を、ファイルのすぐ隣へ戻せます。