Hi3D V3.0は、画像から3Dモデルを生成するHi3Dの新しいモデルです。公式は2048³ボクセル級のジオメトリと最大8Kのテクスチャに対応し、刻印や遮蔽された部分、複雑な形状の再現を強化したと説明しています。数字だけでは仕上がりを想像しにくいところですが、V2.1と同じ画像を使った比較レビューを見ると、更新の狙いがもう少し具体的に見えてきます。(Hi3D V3.0公式ページ)
「似た形」から細部を分けて作る方向へ
比較に使われたのは、人物、装飾の多い剣、城、AIで作成した人物イラストです。V3.0では、人物の顔や体格が入力画像に近づき、髪の毛の束、衣装の模様、剣のエッジ、城の鎖やレンガがV2.1より立体として読み取りやすくなっています。細い部品が隣の形状と混ざり、溶けたように見える箇所も減っています。(MODELING HAPPYの比較レビュー)
ここで効いているのは、表面を高精細にすることだけではありません。公式が挙げる「cross-view structural reasoning」は、正面の情報を手がかりに、横や背面を含む構造の一貫性を高めるためのものです。単一画像からの3D化では、写っていない面をどう補うかが避けられません。解像度が上がっても、補った形が意図どおりとは限らないので、輪郭の自然さと同時に背面や接合部まで確認したいところです。
20分の生成をどう評価するか
レビューで紹介された操作は、画像をドラッグ&ドロップし、モデルのバージョンをV3.0へ切り替えて生成するだけ。テクスチャ付きモデルは1件あたり約20分で完成したとされています。入力の手軽さに対して待ち時間は短くありません。ただ、評価すべきなのは生成ボタンを押してからの時間だけでなく、その後の修正量です。顔の作り直しや、埋まった装飾の彫り直しが減るなら、制作全体では得をする場面があります。
Hi3DのAPI資料では、V3.0に 2048quality と 2048master が用意され、単一画像と2〜4枚のマルチビュー入力に対応しています。出力形式にはOBJ、GLB、STL、FBXなどが並びます。まず1枚で形を探り、構造を正確に寄せたい対象では前面・背面・左右の資料を足す、という使い分けができます。(Hi3D API Introduction)
比較するときはメッシュ単体も見る
今回のレビューは実例が多く、V2.1との差を追いやすい一方、記事にはPR表記があります。公式ページの品質説明も含め、独立したベンチマークではありません。試すならテクスチャ付きの見栄えだけで決めず、テクスチャを外したメッシュ、見えていなかった背面、薄い部品、穴や隙間を順に見るのがよさそうです。3Dプリントなら造形可能か、ゲーム用ならポリゴン数やリトポロジーの手間も残ります。
V3.0の変化は、「1枚から何か立体を出す」段階よりも、「元画像の特徴をどこまで修正少なく残せるか」に表れています。手元の題材で比べるなら、顔だけでなく、文字、細い装飾、重なった部品を含む画像を1枚混ぜると、更新の差を判定しやすいはずです。