reverse-skillは、AIコーディングエージェントにリバースエンジニアリングや認可済みの侵入テストを任せるための、オープンソースのスキルルーターです。新しい解析ツールそのものではありません。依頼を分類し、手元の道具を調べ、対象に合う手順へ振り分け、証拠と報告書を残すところまでを一つの流れにしています。
対象はAPK、ネイティブバイナリ、JavaScript、マルウェア、ファームウェア、API、LLMセキュリティなど。jadxやGhidra、Frida、Burp Suiteといった既存ツールを、AIが場当たり的に選ぶのを防ぐ設計です。
ルーティングを設定ファイルとテストで固める
中核にあるのは skills/config/routing.json です。41個のルート(R0〜R40)にキーワード、除外条件、優先順位を持たせ、依頼から主担当のスキルを決めます。「jailbreak」でも、iOSの文脈ならモバイル解析、LLMの文脈ならAIセキュリティへ送る、といった衝突処理まで明示されています。
現行READMEでは、この振り分けを中国語・英語の163ケースで検査するとしています。ルールを説明文だけに埋めず、機械可読な単一の設定と回帰テストにした点が面白い。v1.0.1ではWindowsとUbuntuのCIも入り、特定のAIクライアントに依存しない構成へ寄せられました。(README, v1.0.1)
結論を「証拠」から組み立てる
振り分け後はCase単位で作業します。scope.md に対象資産、許可された操作、対象外、ネットワーク設定を記録。観測結果をEvidence、そこから導く結論をFinding、攻撃・解析の手順をPathとして関連付けます。ファイルならSHA-256も残せて、引き渡し前のCase Reviewで参照切れやハッシュ不一致を読み取り専用で検査します。(Evidence → Finding → Path)
セキュリティ調査は、最後の報告だけ整っていても再現できません。どのコマンドと成果物から結論を出したのかを、作業中から残す仕組みです。
認可ゲートは、隔離環境の代わりではない
対象へ働きかける前には、auth.status=granted とネットワーク範囲を設定する契約があります。未認可なら文書確認と計画だけに止めるルールです。ローカル試料、CTF、認可済みのオンライン資産も別のネットワーク設定として扱います。(Scope契約)
ただし、この境界はAIが読むMarkdownと検査スクリプトで支えるものです。OSやネットワーク側の強制隔離とは違います。README_AI.md は初期化や不足ツールの導入をエージェントに実行させるため、導入前に内容と依存先を確認し、VMやコンテナ、権限を絞った環境で試すのが堅いでしょう。
プロジェクト自身も実行面の静的監査と依存バージョン固定を公開しています。ただし自己監査は、第三者による安全性保証とは分けて読む必要があります。まずは外部へ接続しないローカル試料で、ルート選択からCase Reviewまで通してみる。それから運用範囲を決めるのが安全です。(パッケージ監査, 外部レビュー)