PSDMaker-Aは、完成イラストを髪・肌・衣装・背景などに分け、色や影、線を編集しやすいPSDへ組み直すツールです。分解した絵の配色を使い、別の線画を着色する機能も備えています。ただし、隠れた腕や髪を描き足す道具でも、Live2D向けの完全なパーツ展開を作る道具でもありません。狙っているのは、見えている絵をあとから直しやすくすることです。以下は公開README・仕様・実装を読んだ整理で、実機での制作検証ではありません。

意味はCodexが判断し、画素はPythonが処理する

このプロジェクトでは、Codex Astraが画像を見て「ここは袖」「これは髪」と分類し、ローカルのPythonが位置合わせ、領域抽出、マスクや色の計算、PSD保存を担当します。CLIを順番に実行するだけで、意味の確認まで済んだPSDが完成するわけではありません。

編集用のレイヤーは、衣装やパーツの階層の下にBase、乗算のShadow、スクリーンのHighlightなどを並べます。同じ素材だと確認したパーツには共通のpalette_idを付け、ベース色を揃える設計です。似た色だから同じ素材、と機械的には決めません。また、共通のIDがあっても、ペイントアプリ内で複数のBaseレイヤーが自動連動するわけではない。この区別は、色替えの使い勝手を考えるうえで押さえておきたいところです。

別ポーズへ渡すのは、塗る位置ではなく配色と意味

PSDと一緒に出力されるcoloring_reference.jsonには、素材ごとの色やパーツ名、レイヤーの階層などが入ります。PSDとJSONをセットで保管すれば、元の作業用フォルダがなくても次の線画の着色へ進めます。

引き継ぐ色は、計画に書かれた値をそのまま信じるのではなく、保存済みPSDの単色Baseレイヤーから取得します。読み込み時にはPSDのハッシュやサイズ、実際のBase色との一致も検証するため、JSONのRGBだけを書き換えて配色を変える使い方はできません。

別ポーズの塗り分け領域は、新しい線画から改めて抽出・分類します。元画像の位置情報を、そのまま次の塗り座標に流用する方式ではありません。完成画像を似せるだけでなく、「どの素材の色か」を持ち運ぶ点に、この受け渡し形式の意味があります。

合成結果が似ていても、編集しやすいとは限らない

公式手順は、数値評価の後にも実PSDから色替え、線単独、背景単独、影や光を切った画像を作り、確認する工程を設けています。袖の色を変えたら別の部位まで変わる、元の色が帯状に残る、といった問題は、原画に似ているだけでは見落とすためです。

READMEには、細線や複雑な透過などを正しく分離できない場合があること、付属作例はPhotoshop/CLIP STUDIO PAINTで未検証であることも明記されています。試すなら、まず髪か衣装の色を変え、境界と周囲のパーツが保たれるかを使うアプリで確かめたい。レイヤー枚数より、その一回の編集が自然に通るかを見たいツールです。

入力画像の扱いにも注意が要ります。Python処理はローカルでも、画像と指示はCodexなどの提供事業者へ送信されます。自分が権利を持つ画像、または外部AIへの送信・解析・再構成・PSD出力に必要な許諾を得た画像を使い、利用プランのデータ取扱いを先に確認してください。

参考