TencentのTeamAI CLIは、チームで使うSkills、Rules、MCP設定や知識をGitリポジトリに集め、Claude CodeやCodex、Cursorなどへ配布するCLIです。新しいコーディングエージェントというより、各自が使うエージェントに共通の手順を届ける道具、と捉えると分かりやすい。

個人が整えた指示を別の人へ渡すだけなら、ファイルのコピーでも済みます。TeamAIが扱うのは、その後の更新とレビューです。誰かの改善を、他のメンバーが使う設定へどう反映するか。そこに普段のGit運用を使います。

設定の改善をレビューに載せる

基本の流れは、teamai pushで変更用のブランチとレビュー依頼を作り、承認・マージ後にteamai pullで各自のツールへ取り込む、というもの。未マージのPRで扱っているリソースを再度pushすると、同じPRを更新します。

SessionStartフックに対応するツールでは、セッション開始時のpullで更新を受け取る仕組みです。設定を共有した後も、各自にコピーし直してもらう必要を減らせます。ただし、対応するリソースやフックはツールごとに異なります。「対応エージェントなら全機能が同じ」とは読まないほうがよさそうです。

ここで区別したいのは、すべての共有がレビュー待ちになるわけではないこと。READMEでは、セッションの学びを共有する/teamai-share-learningsは、学習内容の文書をチームリポジトリへ直接pushすると説明されています。設定変更と学びの投稿では、共有経路を分けて確認する必要があります。

最初に決めるのは配布範囲

初期化にはteamai init <チームリポジトリURL>を使います。既定はprojectスコープで、Skillsなどはプロジェクト内のツール用ディレクトリへ入ります。ホームディレクトリ側へ配る場合は--scope userを指定します。

導入を試すなら、まずはprojectスコープで配布先を絞るのが扱いやすそうです。ただし、project指定でもTeamAIの管理データまで作業ディレクトリ内に閉じるわけではなく、利用ガイドでは~/.teamai/projects/<slug>/に保存するとされています。

知識の検索も、設定配布とは別に考えられます。タスク前にチームの知識を自動検索する機能は既定で無効で、teamai recall enableなどで明示的に有効化します。まず設定の同期を確かめ、その後で検索まで広げる、という順番を選べます。

MCPの変数は、配布先では平文になる

MCPサーバーはチームリポジトリのmcp/mcp.yamlに宣言し、pull時に各ツールの設定形式へ変換されます。秘密情報は直接書かず、${VAR}で参照する方式です。

ただし、この変数参照がそのまま配布されるわけではありません。利用ガイドによると、TeamAIが値を解決し、各ツールの設定ファイルへ実際の値を書き込みます。GUIから起動したIDEがシェルの環境変数を引き継がない問題を避けるための設計です。

つまり、共有元にトークンを書かなくても、生成された.mcp.jsonや.cursor/mcp.jsonなどには秘密情報が残り得ます。ガイドは、こうしたプロジェクト内の設定を.gitignoreへ追加し、コミットしないよう注意しています。

TeamAIを試す際は、同期が成功したかだけでなく、「どこへ何が書かれたか」まで差分で確認したいところです。設定を配る手間を減らす道具だからこそ、最初に配布範囲とレビュー経路、秘密情報の保存先を押さえておく。その順番なら、チームの運用に取り込む範囲を判断しやすくなります。

参考