yomiyasuは、AIが生成した日本語を推敲するAgent Skillです。主な対象は技術記事、仕様書、PR説明文などの実務文書。開発記事では、禁止語を別の単語に置き換えるだけでは残る読みにくさを、文の組み立てから直す方針が説明されています。
面白いのは、直す対象にスキルの指示文自体も含めたことです。「比喩を避ける」と指示する文章が比喩だらけなら、手本としても一貫しません。開発記事は、この矛盾を見直し、SKILL.md自体をリンターで検査した経緯を紹介しています。
言葉を替える前に、文の関係を確かめる
yomiyasuが点検するのは、主語と述語、修飾語と掛かる先、指示語と指す対象です。名詞が連続して動作を追いにくい箇所は、動詞を使った文へ戻す。不要な装飾や前置きも、内容との関係を見て整理します。
ただし、主語を明確にするために、原文にない担当者を追加してよいわけではありません。現行のSKILL.mdでは、原文や提供された文脈から分からない主体、原因、条件、数値を足さないことが最優先です。意味を確定できなければ、未確定と分かる暫定文にし、理由と確認事項を添えます。
比喩の扱いにも、この制約が表れています。「静かに」を「エラーを出さずに」と直すには、エラーが出ないという根拠が必要です。単に気づかなかったという意味なら、その広さを保つ。読みやすい説明にしたつもりで、システムの仕様まで作ってしまう危険を避けています。
検出した表現を、すべて消すわけではない
開発記事では、動詞の単純な一致判定が日常語や慣用句まで拾ってしまい、正規表現の前後条件を調整した過程も紹介されています。検証コーパスでの誤検出抑制は報告されていますが、それを未知の文章でも誤判定しない保証とは読めません。
付属のyomiyasu_lint.pyは、比喩、装飾、文末の偏りやMarkdownの太字表示などを検査します。yomiyasu_diff.pyは推敲前後を比較し、情報の増減や文末の変化を見直すための候補を出します。現行READMEも、指摘がないだけでは意味の保持を保証しないと明記しています。
v1.0.6のリリースでは、文書全体の目的と、各文の働き、常体・敬体を分けて扱う方針が説明されています。助言を含む文章だからといって、説明文まで一律に「しましょう」へ変えない。語尾をそろえる作業にも、意味を変える余地があります。
v1.0.7では「資料を、全員へ。」のようなコピー調も見直しています。読点だけを消すのではなく、実務文の本文では分かっている動作や判断を述語まで書く方針です。ただし、型を直すために未知の動作を作ることはしません。リリースノートは、固定入力での検証が未知の題材全般での改善を保証するものではないとも明記しています。
試すときは、修正前後の条件を読む
READMEには、導入方法の一つとして次のコマンドが案内されています。
npx skills add nanaism/yomiyasu
導入後は文章を渡し、「技術記事向けに読みやすくして」などと用途を添えます。ほかの日本語校正スキルと併用して出力が乱れる場合は、READMEでは類似スキルの一時的な無効化を勧めています。
なお、READMEに残る変換例は以前の検証記録であり、現在の版を実行した結果や現行ルールの合格例ではない、と注記されています。掲載例と現在の仕様を区別できるのは、試す側にとって助かる説明です。
まずは短いPR説明文で、修正前後の「誰が」「何を」「どの条件で」を比べたいところです。言葉が平易になっていても、依頼が義務に変わったり、推測が断定になったりしていれば採用しない。yomiyasuを使う際も、最後に読むべきなのは点数よりその差分です。